SILCA PISTA pump
ロード自転車のフロアポンプの定番とも言えるイタリア製 シリカ社製 ピスタポンプです。もちろん口金には、これも定番のヒラメ(平目2号ポンプ口金HP-20)を使用しています。 これで業界が認める世界最強のフロアポンプだそうです。そして、実際に使ってみて、なるほど良く入ります。ただ、それなりにパワーは必要ですが..。でも、サイト主が思うに、このパフォーマンスもこのヒラメ社製の真鍮削り出しという口金に負うところが多いような気がします。 ただ、このピスタポンプには色々とスペアパーツが揃っており、修理すれば、一生モノだそうで、また、細部は色々と変更されているようですが、基本部位は20年以上もそのままだという話です。
ただ、このポンプは秀逸?なイタリア製の工業製品なので、メンテは必須。たまには新品からメンテ(調整?)が必要な事もあるそうです。そして、サイト主も新品時代はそのまま使用できましたが、とうとうメンテが必要な時期となってしまいました。あえて紹介するほど複雑なモノでもありませんが、ここで少し...。
ポンプのシリンダーの上部にプラスのネジだ2つあり、それを緩めればピストンとシリンダーが分離します。なんて単純なのでしょう!
そして、ピストンのパッキンは、なんと革製です。これが、オイルを含むことでパッキンとしての機能を果たしているということでしょうか。そして、これはもちろん消耗品の様で、補修部品が販売されています。 ピストンシリンダーは、今では珍しい鉄製です。
メインテナンス T --- シリンダーとピストンパッキン
1. ポンプ取手下にある2個のプラスネジを外す事でピストンとシリンダーを分離できる。この時に古いグリスを取るためにディグリーザーでピストンとシリンダー(鉄パイプ)を洗浄する。
2. 新しいグリスをシリンダーに塗る。 粘度の高いデュラグリス等がおすすめ。
3. ピストン先の皮革パッキンが劣化していれば交換するか、或いは、オイル(皮革専用のミンクオイルがおすすめ)を塗る。先端のボルトはきっちりと締めましょう。
ただ、我が家にはミンクオイルは無かったので、野球のグラブ用に使うドロース(保革油)を使った。
メインテナンス II --- ボトム付近
1.
ボトムのアーレンキー(4mm)を2つ外す。これで、シリンダー・空気圧計・Oリングに分離する。この2本のネジで空気圧計とシリンダー、ポンプベースの3つを固定している。また、シリンダー底には、ゴム製の小さなOリングパッキンが付いているので失わない様に。
2. 評判では、このOリングの出来が悪く、ここからも空気漏れを起こすので、自作する人もいるとか。古チューブを使用して、シリンダーの直径より若干大きめ(2mm程)に切り出し、中央に空気穴・左右にボルト穴を開けたあと、うっすらとグリスを塗ってから組み付けるとの事。サイト主のモノは、数年の使用後にもそれなりの弾力も残っており、それ程悪いとは思わなかった。
3. また、空気圧計のパッキン(写真茶色の部分)からも空気漏れが発生する事があるらしいので劣化した場合には交換。このパッキンには、アルミ製と革製(茶色)の2種類が存在するがどちらを使っても良しとの事。新型の空気圧計(ネジがテーパー形状)の場合には必要なし。
4. 空気圧計も交換パーツが存在する。但し、ねじ込みの部分が変更されているらしい。このモデルでは、革製のパッキンを用いて、白いシーリングテープで空気漏れを防いでいる。新型は、ねじ込み部分がテーパー状に変更されており、それをねじ込めば取り付け完了との事。
空気圧計(旧型)。オレンジの部分が革製パッキン。白いのが空気漏れ防止のシーリングテープでしょう。
新型の空気圧計を取り付ける場合には、パッキンもシーリングテープも必要ないとの事。
ポンプ空気圧計とは別のナットを外すと、そこには、エアーの逆流防止機構と思える、ピンとスプリングが。
また、空気圧計の方は、ねじ込まれているだけなので。ただ、空気漏れが起こらないように、革製のパッキンと白いシーリングテープ。
はっきり言って単純明快。分解する程度なら10分もかからないし、工具も、アーレンキーとプラスドライバーくらいしか使わない。もちろん、サイト主は、この後、掃除、注油を行い、このVistaポンプは本来のパワーを取り戻しました。 ただ、ネット上でこれらの情報を集めながら、シリカには当たりはずれがあると書かれていますが、それこそイタリアンな工業製品。ただ、新品からでも、これらのメンテ(調整)を行えば、本来のパフォーマンスは取り戻せるはず。新品からそんな事?とおっしゃる方々は、イタリア製以外のご使用を提案させていただきます。 これがナイスなイタリアンと思った時に、最強で一生モノのエアーポンプとなりうると思いますが。
BOSCH バッテリーエアポンプ PAG 14.4V
一度は廃棄してしまおうと思ったSILCAエアーポンプ。それがメインテナンスを行うことで復活してしまった。そこで、一度支払おうと度胸を決めた予算に少し乗せればこれが買えるという事がわかり一気に購入してしまった。 ちょっとしたことでネットで目にしたこのエアポンプ。しかし、それなりの業界では有名な商品らしく、また、人気もある様だ。それに、BOSCHというドイツブランドということもある.。
カタログ上のスペックは、
・10kg/cm2(1Mpa)まで可能
・液晶空気圧表示(3単位対応)
・他の電動工具と共通バッテリー
・1.4kg(バッテリー込み) = 実測もだいたいこんなモノ。
・充電:約50分(空からフル)
空気圧の単位について...
日頃よく使う単位ではないので、少し理解できていない部分があり、この機会に調べてみた。特に空気圧計では、下記の単位群が併記されている事が多い。 しかし、SI系(Le
Systeme International d'Unites : 仏語)での圧力表示は、Pa(パスカル)の使用が推奨されているとの事。
気圧(atm) = 1 atm = 101325pa
標準大気圧
工学気圧(at) = 1 kgf/cm2
標準大気圧(atm)の約0.96784倍
psi = 14.2233 psi
(pound-force per square inch) ヤードポンド法における圧力単位
kPa = 98.0665 kpa
パスカル SI系での圧力単位。
bar = 0.980665 bar
バール CGS単位系における圧力単位
例えば、ロード自転車で 8気圧を入れる場合には、それぞれ、
113.8 psi
784.5kpa
7.8 bar となる。
付属のノズル。
左から、ビーチボールアダプター、ボールアダプターが2個、右端がバルブアダプター。そして、左下が、自在チューブ。それを早速改造し、ヒラメ口金を取り付けたのが、下右の写真。右の大きな写真は、本体、他のボッシュ製電動工具と共通のバッテリー、とその充電器。
本体後ろには、空気圧計が。表示単位は、kgf/cm2、psi、barから選択できる。表示は、8.05kgf/cm2。
通称縦カムと呼ばれるHIRAME(HP-30)である。 普通の自転車ならば、これで対応可能という事であるが、縦長なので、チューブバルブに深く差し込まねばならず、短いバルブだとちょっと苦しいかも...。
でもその機能は十分に満足のいくものではあるが...。
写真下左は、縦カムタイプの使用中のモノ。写真右は、横カムタイプのモノ。
HIRAMEに添付されている説明書。各タイプの口金の部品のイラストが描かれている。ちなみに右から、英式・仏式(標準)・米式・競輪タイプ。
下記は、米式の部品。基本的に図を見ながらひょいひょいと重ねてねじ込めば終了。
もちろん自動車にも..。でも、たかだか2.5気圧程度のモノですが、タイヤの容量が違います。
但し、気合いで入れるマニュアルのポンプの方が明らかにスピードは早いという事は付け加えておきます。